フィンランドの子育て支援『ネウボラ』について調べてみた

妊娠・出産
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「ネウボラ」って聞いたことありますか? 僕は聞いたこともないし、知りませんでした。

奥が保育園で管理栄養士をしているのですが、職場の保育園が「ネウボラ事業」も行っていて「ネウボラ」という言葉を知りました。

「ネウボラ」は、フィンランド語で「アドバイスの場」を意味していて、妊娠期から子どもの就学前までワンストップによる切れ目のないサポート体制のことをいうそうです。

世界中から注目を集めている「フィンランド発祥」ということで、気になって詳しく調べてみたら、日本でも、2017年(平成29年)に法改正が行われ「子育て世代包括支援センター」という名称でスタートしており、2023年4月1日時点で全国2,593箇所で実施されていました。

ネウボラとは?

「ネウボラ」はフィンランド語で「neuvola」と表記するのですが、「neuvo」は「助言やアドバイス」、「la」は「場・場所」の意味になり、子育て支援制度・施設のことを「ネウボラ(neuvola)」といいます。

同じ担当者が、妊娠期から子どもの就学前まで継続的にサポートしてくれて、母親だけじゃなく父親やきょうだい、家族全体もサポートしてくれる仕組みだそうです。

在日フィンランド大使館のサイトにわかりやすい説明がありました。

ネウボラ(neuvola)はアドバイス(neuvo)の場という意味で、妊娠期から就学前までの子どもの健やかな成長・発達の支援はもちろん、母親、父親、きょうだい、家族全体の心身の健康サポートも目的としています。

<略>

妊娠期間中は少なくとも8-9回、出産後は15回ほど子どもが小学校に入学するまで定期的に通い、保健師や助産師を中心に専門家からアドバイスをもらいます。

<略>

また、担当制になっているため、基本的には妊娠期から子どもが小学校にあがるまで、同じ担当者(通称「ネウボラおばさん」)が継続的にサポートをするので、お互いに信頼関係が築きやすく、問題の早期発見、予防、早期支援につながっています。

引用元:フィンランドの子育て支援 ネウボラ|フィンランド大使館、東京

またヘルシンキ市作成のネウボラ紹介ビデオがあったのですが、ざっくり「ネウボラ」がどういうものかわかるようになっていました。

動画には、日本語の吹き替えが付いているので、一度見てみると参考になります。

母親と産まれた子だけじゃなく、父親、きょうだい、家族全体の心身の健康サポートも目的としているところが日本とは大きく違いますね。

子どもの定期検診に何度か行っていますが、ママが子どもを連れていることが多く、(コロナ禍だったこともありますが)夫婦で参加することはなかったですね。

日本版ネウボラ「子育て世代包括支援センター」

2017年(平成29年)に法改正が行われ、「子育て世代包括支援センター」(法律上の名称は「母子健康包括支援センター」という)を市町村は設置するように努めなければならないこととされました。

また2024年(令和6年)4月より、「子育て世代包括支援センター」は「こども家庭センター」になるのですが、これがいわゆる「日本版ネウボラ」のようで、2023年(令和5年)4月1日時点で全国2,593箇所で実施されています。

我が家だと第2子ちゃんが産まれた頃には、法改正が終わっていたはずなのですが、、全然知らなかった!

ちなみに、2023年4月1日に発足した「こども家庭庁」(内閣府外局)が所管しているのですが、

それまでは、子どもに関する所管が文部科学省、厚生労働省、内閣府、警察庁など様々な省庁に分かれていたこともあり、いまだに「ワンストップによる切れ目のないサポート体制」には、なっていなそうです。

第3子ちゃんの育児も、色々な機関にバラバラで対応してもらってるし。。

育児パッケージ(マタニティボックス)

さきほどの在日フィンランド大使館のサイトを見ていたら、「育児パッケージ(マタニティボックス)」も掲載されていました。

フィンランドでは、母親手当のひとつとして「KELA(フィンランド社会保険庁)」から、子ども1人に、『170ユーロの現金支給』または『育児パッケージ』の二つの選択肢があるそうです。

第1子くんが産まれた後に、ムーミンデザインのマタニティボックス(たしか、、5万円ぐらいでネット販売していた結構豪華なセット)を思い出したのですが、今はもう売っていないようです。

ほとんどの家庭、特に第1子を迎える家庭では育児パッケージを選択することが多いようなので、どんなものかKELA(フィンランド社会保険庁)のサイトを見てみました。

育児パッケージの中身を色々見ることができるのですが、「Box and mattress(箱とマットレス)」を最初に見たら、箱のデザインは「Aya Iwaya」がしているそうです。

すごく日本人ぽい名前に見えますよね。。

出典元:Maternity package 2023 / Box|Kela

なのでぐぐってみたら、「フィンランドの日本人グラフィックデザイナー」さんでした!!

2017年に、フィンランド政府の育児パッケージ80周年を記念し、社会保健庁が国内のデザイナー15人を招いて行ったコンペにて優勝されたそうで、このデザインの箱は2022年より配布開始しているそうです。

意外なところで見つけた日本人の活躍を見ると、なんか嬉しい(笑)

フィンランドの子育て支援『ネウボラ』について調べてみた のまとめ

奥の職場保育園の「ネウボラ事業」で知った「ネウボラ(neuvola)」ですが、2017年(平成29年)から「子育て世代包括支援センター」の名称で、市町村に設置し始められていました。

2024年(令和6年)4月からは、「子育て世代包括支援センター」は「こども家庭センター」の名称に変わるようですが、3児を子育てしている親の実感として、まだまだ普及している状態とは感じられていません。

ただ、「ワンストップによる切れ目のないサポート体制」になれば、定期検診や予防接種をはじめ、子育てに関して、『同じ担当者(通称「ネウボラおばさん」)』が継続的にサポートしてもらえるのは良さそうです。

まぁ〜、「ネウボラおばさん」と家族全員との相性もあると思いますけどね。。

参考にしたサイト

フィンランドの子育て支援 - Suomi ulkomailla : Japani
フィンランドの子育て支援 - Suomi ulkomailla : Japani
ネウボラ(ねうぼら)とは? 意味や使い方 - コトバンク
日本大百科全書(ニッポニカ) - ネウボラの用語解説 - フィンランドにおいて、妊娠期から出産、子供の就学前までの間、母子とその家族を支援する目的で、地方自治体が設置、運営する拠点。また、出産・子育て支援制度のこともいう。neuvoは助言や...
「日本版ネウボラ」導入への課題とは  ~第6回 少子化社会と子育てより 研究員の目~  ベネッセ教育総合研究所
晩産化、核家族化が進む日本において、妊娠・出産・子育ての切れ目のない支援の必要性が増している。フィンランドの「ネウボラ」の紹介と、日本に「日本版ネウボラ」を導入する場合の課題について考察する。
教育フォーカス│少子化社会と子育て│[第6回]子育てのスタート期の母子を支えるために、社会全体で妊娠・出産・子育ての切れ目のない支援を[2/3]│ベネッセ教育総合研究所
妊娠・出産・子育て期の母親への切れ目のない支援の意義について、福島富士子先生(東邦大学看護学部教授)にご解説をいただきました。
・子育て世代包括支援センターの設置運営について(通知)(◆平成29年03月31日雇児発第331005号)
子育て世代包括支援センターの実施状況|こども家庭庁
こども家庭庁は、こどもがまんなかの社会を実現するためにこどもの視点に立って意見を聴き、こどもにとっていちばんの利益を考え、こどもと家庭の、福祉や健康の向上を支援し、こどもの権利を守るためのこども政策に強力なリーダーシップをもって取り組みます...
こども家庭庁 - Wikipedia

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